
「欲望に適齢期はありません」
そのとおりです。ぐうの音も出ません。
ホワイトボードに書かれた文字が達筆な所も泣かせます。
驚くべきは、これが昔ながらの風情を残す町のパン屋に
朝の8時から掲げられていたという事。
完全に目が覚めました。
気になるのは、今朝一番に書かれたものか、
はたまた昨晩閉店後に翌日用として書かれたものか…ということです。
営業時間から察するに、朝だと5時台に、夜だと21時台に書かれた事が推察されます。
朝の5時台にこの美しい文字で欲望について教えを説く徳の高さ、
夜の21時台に迷いのない筆跡で適齢期はないと言い放つバイタリティー、
考えれば考える程、些末な能力しか持ち合わせていない私には答えが出せません。
店内には老若男女、丁寧な働きぶりの従業員さんが3人、
誰が書いたのか気になって気になって、食べたかったはずのサンドウィッチではなく
限定4本の(8時で既に残り2本!)ロングウインナーを購入してしまう始末…
いや、これも大変おいしかったのです。大満足です。
さすが、定休日もなしで頑張っているパン屋さんなだけあります。
味の良さと、心地よい距離感の接客、掲げられたホワイトボード。
通勤には途中下車になりますが、しばらく通ってしまう予感です。
お店に立っている私はこんな事ばかり考えている訳ではありませんが、
たまにどうしようもなく思考がこんな感じになってしまいます。